みなさんは黒柿(クロガキ)という木をご存知でしょうか?
白っぽい木肌に真っ黒な墨を流したような模様が入ったり、孔雀の羽のような模様が(孔雀杢)が現れたり…

この黒柿、「黒柿」という名称は通称であって、黒柿という名を持つ木があるわけではないんです。
みなさんの周りのそこかしこにある「カキ」の木なんです。ただ、「カキ」の木すべてに黒い模様が入っているかというと、そんなに単純なものではないのではなく、カキの古木を切り倒したらたまたま黒い筋や模様が入っていた。「あっ、これは黒柿だ!」となってその後、切り倒された「カキ」の木は「黒柿」となって流通するのです。
黒柿は価値のある木として珍重されます。どのくらい価値があるかというとそれは一概には言えませんが、「カキ」の木を切り倒したときに黒い模様が出る割合(出現率)は、数千本に1本とか数万本に1本とか言われています。(ここは統計的な数字がないのでそう言わざるを得ない。ホントはもっとたくさんあるかもしれないですね…)
出現率が低いので市場では高値で取引されます。その後製材とかすると黒い模様の入った部分はわずかで小さい材料しか取れなかったりすることも起こりうるわけで…原木を買うのはホントに博打みたいなものです。(私には買えません)
無垢の木を扱う木工房創舎でも黒柿のアクセサリー等を作っていますが、現在はほとんど材料を在庫していません。というのも正直高価でなかなか手が出ないからです。古い家を解体したときにまれに黒柿の床柱なんかを使っているところがあって、解体にかかわった大工さんが声をかけてくれます。
大工「要る?」
私「いるいる!」
そんなやり取りがあって、黒柿のアクセサリーが誕生するわけです。
この文章は私の主観も多分に入っていますので、「事実と違う」「おかしい」という方がおられましたらご一報ください。
長くなりましたが、黒柿については終わりです。